ASEAN諸国の中でもめざましい経済成長を続ける国、フィリピン。
オフショア開発・クリエイティブ制作拠点としてフィリピンを検討中の方向けに、2019年時点でのフィリピンの情報をまとめました。
1.経済規模の比較(フィリピン、タイ、ベトナム)
下記は、東南アジア3か国の経済規模の成長度合い(※2017年以降は予測値)を図に表したものです。
- フィリピンの急成長ぶりはベトナム対比で圧倒的
- フィリピン政府による大規模なインフラ投資の推進も追い風となり、今後更に勢いが加速していく見込み
東南アジア3か国の経済規模の比較
(単位:10億ドル/US$Billion)
出所:IMFデータ( 2017年10月版)よりジェトロ作成
註:2017年以降は予測値。
2.フィリピンの主要産業の特徴と動向
フィリピンの主要産業の特徴と動向は下記の通りです。
農林水産業 | 全就業人口の約25.0%が従事 |
---|---|
サービス業 (BPO含む) |
大きく成長中(全就業人口の約 57.0%が従事) |
BPO産業 | 2010年にインドを抜いて世界第1位となり、GDPの約1割を占める主要産業に成長。 ノンボイスのBPOサービス(ITクリエイティブ、財務会計、 給与計算、人事関連業務等)でも世界第2位の重要なグローバルサービスデリバリー拠点 |
小売業 | 力強い内需に支えられ、今後も成長が期待される分野 |
3.日系企業のフィリピンへの進出動向
日系企業のフィリピンへの進出は2017年時点で1,502社。近年は内需狙いの企業の進出が顕著となっています。
日系進出企業数の推移
業種別日経企業数(2017年時点)
4.アセアン諸国とフィリピンの比較
アセアン諸国と比較したフィリピンの状況は、下記の通りです。
賃金水準 | インドネシアはやや上、ベトナムなみ |
---|---|
賃金上昇率 | 5% 、インドネシア・ベトナムは20%近く |
スト発生件数 | 1桁、他は年間300件以上 |
オフィス賃料 | 標準並み |
電気料金 | 日本並みに高い |
1人当たりGDP | 3千ドルへ到達(2018年) |
人口 | アセアン第2位 |
5.フィリピンの経済発展上の強み
フィリピンは、人口ボーナス(総人口に占める生産年齢人口 15歳~64歳の人口) 期が周辺国より長く続きます。
そのため、政策次第で高成長が可能となっています。
また、総人口に占める働き手の割合が増えることから、適切な政策が実施されることにより、経済成長が促進されることが予測されます。
ASEAN各国の平均年齢
順位 | 国名 | 平均年齢 |
1 | ラオス | 23.0 |
2 | フィリピン | 23.5 |
3 | カンボジア | 25.3 |
4 | ミャンマー | 27.9 |
5 | マレーシア | 28.5 |
順位 | 国名 | 平均年齢 |
6 | インドネシア | 30.2 |
6 | ブルネイ | 30.2 |
8 | ベトナム | 30.5 |
9 | シンガポール | 34.6 |
10 | タイ | 37.7 |
(出所:World Population Review2018年版)
- 日本の平均年齢はフィリピンの2倍
- フィリピンの平均年齢は、ASEAN内で2番目の若さ
- フィリピンの人口ボーナスはASEAN内で最長の2062年まで(シンガポール2028年・タイ2031年・ミャンマー2053年まで)
6.アジア各国の年齢層別人口 (将来も人口ボーナスが続くフィリピン)
フィリピンの若年層の人口比率はベトナム対比でも圧倒的です。
アジア各国の年齢層別人口
単位:1,000人
7.生産年齢人口予測(フィリピン、インドネシア、ベトナム、中国)
2015年=1とした場合の、各国の生産年齢人口予測です。
フィリピンは継続的に成長しています。
生産年齢人口が既に減少していて日系企業の進出過多な中国・ベトナムと比較すると、圧倒的な優位性と伸びしろがあることがわかります。
生産年齢人口予測(2015=1)
8.各国の年間人件費総額
人件費年額(実質年額/月額基本給×12)を各国と比較しました。
※ベトナムは賃金が毎年20%の上昇傾向
人件費年額(実質年額)
国名 | 製造業 | 非製造業 |
フィリピン | 5,912 | 7,390 |
ベトナム | 7,315 | 8,487 |
インドネシア | 8,066 | 7,952 |
マレーシア | 12,179 | 13,709 |
タイ | 12,599 | 11,880 |
中国 | 14,903 | 17,674 |
インド | 8,453 | 9,918 |
(単位:USD)
9.フィリピンの高い英語力 〜 Business English Index(BEI)〜
フィリピンは高い英語力を背景として、留学先として近年人気の国となっています。
そのため、日本人の現地採用が圧倒的にしやすいという特長があります。
また、フィリピンは英語を公用語としているため、Google、Apple、Amazonなどが公開した最新技術もいち早くキャッチアップすることができます。
(単位:USD)
英語力を活かしたフィリピンでのビジネス英会話学校・オンライン英会話学校
- 年間約3万人もの日本人が留学。
- 2016年から2年間で日本人留学生は1.5倍以上に増加。
- 日本人の留学先国ランキングで米国、カナダ、オーストラリアについで4位に浮上。(5位は英国)
2019年時点でのフィリピンの情報をお届けしました。
CYOLAB(シーワイオーラボ)では、フィリピン・セブ島に制作拠点としてSprobe.Incを保有しており、
7年間、500件以上の制作実績がございます。
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